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ついに逮捕者も発生 ストーカーアプリ「ケルベロス(反盗難)」の怖すぎる実力

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4月9日、広島県東広島市の中学校教諭、中川省志被告(43)が、元交際相手の女性のスマートフォンに「遠隔操作アプリ」をインストールしたとして不正指令電磁的記録供用容疑で再逮捕された。中川被告は女性が使っていた旅行予約サイトで女性のIDを使って勝手にパスワードを変更したなどとして不正アクセス禁止法違反で今年3月に逮捕されており、警察が調べを進めていた。

中川被告は「スマホをなくしたときに便利だよ」と女性に話し、遠隔操作の恐れがあることなどを伏せたままアプリをインストール。その際にログイン情報などを取得し、パソコンを通じて女性のスマホを遠隔操作していた。666回の音声録音や399回の通話履歴確認、写真撮影やメール送信などを行い、元交際相手の日常生活を監視していたと見られている。自分のスマホが他人に乗っ取られ、個人情報や普段の会話がダダ漏れになってしまう、そんな恐ろしい事態が身近に起こり得ることを世間に知らしめた事件といえる。

広島県警によると、この事件で中川被告が使用したのはアンドロイド向けアプリ「Cerberus(ケルベロス)反盗難」。当然ながら、このアプリは犯罪に使用するのが本来の目的ではない。スマホの盗難対策用アプリだが、その機能が充実しすぎているために悪用できるのも事実である。

「Cerberus」を目的のスマホにインストールし、パソコンから専用のウェブサイトにログインすると、相手に気付かれないままスマホを遠隔操作できるようになる。その主な機能は以下のようなものだ。

・通話履歴の取得
・ショートメールのログ取得
・強制的に他の端末に通話、メール送信
・GPSを利用した位置情報の取得(定期的に更新可能)
・カメラを起動して撮影(前後のカメラ利用可能)
・マイクを使って周囲の音を録音
・内蔵メモリやSDカードのデータ削除

確かにスマホの盗難に遭った時、悪用を防いだり追跡したりするためには心強い機能だ。また、認知症の老人や子供にこのアプリをインストールした端末を持たせれば、行動を把握することができ、自宅に置いたスマホやタブレットからペットの様子を確認するといった利用法もある。だが、見方を変えればストーカーに持ってこいのツールともいえる。特に位置情報の取得やメールのログ取得、カメラ撮影、録音は個人情報が筒抜けになるもので、中川被告がストーキングに悪用したのもこういった機能だ。

しかも、このアプリは「アプリ一覧から表示を隠す」という機能がある。盗難者がアンインストールすることを防ぐための機能だが、もし知らずにアプリを仕込まれていれば被害者が動作に気付くのは非常に困難。今回犯罪が発覚したのも、被害女性が「自分が送信した覚えのないメールが友人に届いている」と警察に相談したことからだった。もし中川被告がメール送信しなければ、犯行は永遠にバレなかったかもしれない。

このような恐ろしさを秘めながら、同アプリは「Google Play」の中でも高い人気を誇り、一定期間なら無料、2.99ユーロ(約420円)を払えば永遠に使用できる。また、ほかにも悪用可能な盗難対策用アプリは増加しており、一時期問題になった「カレログ」のように恋人を監視するためのアプリも存在する。他人のスマホに勝手にアプリを仕込むのは言語道断だが、恋人から「やましいことがないならインストールして」と言われれば断れない人もいるだろう。

このようなアプリの被害を防ぐには、タスクマネージャー系のアプリや「カンシチェッカー」などのアプリで動作を調べるのが有効だ。もし「Cerberus」が存在していたら、起動・ログインして管理者権限を無効にすればアンインストールできるようになる。

個人情報の塊であるスマホは日頃から「他人に触らせない」「スマホを置いて席を離れない」「ロックやパスワードをかける」といった対策が必要だが、ふとしたスキを突かれて被害に遭ってしまう可能性は誰にも否定できない。今後はこのような悪用可能なアプリが存在することを前提として、自分が被害に遭っていないか常に疑っていなければならない社会になっていくのかもしれない。(佐藤勇馬)


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